《MUMEI》
*呪縛*
「──────」

紫堂は思わず見とれていた。

瑠果の碧い瞳に。

引き付けられていた、という方がそうかも知れない。

しばらくの間、紫堂はその瞳から1ミリも視線をずらす事が出来ずにいた。

呪縛のように。

「紫堂?」

「!っ」

その声で、ハッと我に返る。

「す、すみませ‥ん‥でした‥」

ぎこちない口調で言い、紫堂は再び俯いた。

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