《MUMEI》

店に居合わせた客らの視線が、若き伯父さんに集まってくる――……。


―――まったく……。


「おいタラオ…、僕はまだ27だぞ…(笑)

人前で伯父さんと呼ぶのは勘弁してくれよ…」


僕は苦笑いを浮かべて四人掛けのテーブル席についた。


「だって僕にとっては伯父さんだもん…(笑)

それより早く何か食わしてよ〜。

僕、お腹ペコペコだよぉ…」


タラオは図々しくも、梁に並んでいる高価なネタの名が書かれた札を眺めた。


「お前、だんだん姉さんに似てきたなぁ…(笑)」


…と、ボヤいてみるものの、本日の主役はタラオだ…。


僕は可愛い甥っ子のため、お任せで握りを頼んだ――……。

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