《MUMEI》 *孤独*紫堂は瑠果に抱き締められたまま動けずにいた。 手の触れている背中が熱い。 なかなか放そうとしないその腕は、さらに強く力を込めてくる。 「お、お嬢様‥痛いです」 「‥‥‥‥」 「お嬢様」 「ずっと孤独だった。お前が来るまでは」 「お嬢様‥?」 「何もかも‥つまらなかった」 「‥‥‥‥‥」 「お前は私を独りにしないと誓えるか」 紫堂は返事をする代わりに瑠果の背中に腕を回す。 「僕は一番良く分かってます。だから僕は‥お嬢様を独りにしない為に‥」 「紫堂‥?」 前へ |次へ |
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