《MUMEI》 *開放*しばらくして、ようやく瑠果は紫堂を開放した。 「‥‥‥‥‥‥‥」 「‥‥‥‥‥‥‥」 だが2人共ぼんやりとしたまま会話が出来ない。 始めに口を開いたのは紫堂だった。 ゆっくりと立ち上がると、瑠果に片手を差し延べる。 「立てますか?」 瑠果は黙って紫堂の手を取った。 紫堂がその手をそっと引き上げてやると、瑠果は何とか立ち上がる事が出来た。 だが先程の自分の行動にかなり動揺しているらしく、瑠果は紫堂と目を合わせる事が出来なかった。 前へ |次へ |
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