《MUMEI》
*砂糖*
瑠果が顔を出すと、テーブルに皿を並べていた紫堂がニッコリと笑って彼女に視線を向けた。

「おはようございます、お嬢様」

「昨日は助かった。礼を言うぞ」

「それは光栄です」

紫堂は照れくさそうに笑った。

「紅茶にはミルクとレモン、どちらを?」

レモンを選んだ後で、瑠果は付け加えて尋ねる。

「砂糖はあるか」

「はい、少し待って下さいね」

瑠果は紅茶を飲む時、滅多に砂糖を入れない。

それを不思議に思いつつ、紫堂は食料庫へと向かう。

角砂糖が切れている事を思い出し、白砂糖の袋を取り出すと、調理場へ行きガラスのシュガーポットに詰め替えた。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫