《MUMEI》 *砂糖*瑠果が顔を出すと、テーブルに皿を並べていた紫堂がニッコリと笑って彼女に視線を向けた。 「おはようございます、お嬢様」 「昨日は助かった。礼を言うぞ」 「それは光栄です」 紫堂は照れくさそうに笑った。 「紅茶にはミルクとレモン、どちらを?」 レモンを選んだ後で、瑠果は付け加えて尋ねる。 「砂糖はあるか」 「はい、少し待って下さいね」 瑠果は紅茶を飲む時、滅多に砂糖を入れない。 それを不思議に思いつつ、紫堂は食料庫へと向かう。 角砂糖が切れている事を思い出し、白砂糖の袋を取り出すと、調理場へ行きガラスのシュガーポットに詰め替えた。 前へ |次へ |
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