《MUMEI》
*嗜好*
「──すみません、お待たせしました‥」

紫堂がシュガーポットを片手に戻って来ると、瑠果は既に3つ目のパンに手を延ばしかけていた。

紫堂がシュガーポットを置くと、瑠果はスプーン2杯程の砂糖を紅茶に入れ、かき混ぜる。

更にそこへ薄切りレモンを浮かべた。

嗜好が変わったのかも知れない、と紫堂は思った。

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