《MUMEI》

「私は既婚者だから、特に心配無かったけど、蝶子ちゃんは気をつけてね。

一応、『シューズクラブ』のお客は、抜け駆け禁止って暗黙のルールあるみたいだけど」


『抜け駆け』


「あの、今日のって、大丈夫…だったんですかね?」

孝太とショッピング


孝太と和馬と食事


改めて考えて…心配になった。


「今日のは、向こうからの誘いだったし、ギリギリ大丈夫でしょ」


咲子さんの言葉に私はホッとした。


昔は


俊彦が大好きだったから


俊彦に群がる女の子達に立ち向かう気力もあった。


しかし、今は


私は『シューズクラブ』の誰にも恋はしていない。


とても、恋する乙女達に立ち向かう気持ちにはなれなかった。


そして、私は。


できるだけ『シューズクラブ』への配達は咲子さんに頼み


『シューズクラブ』の前は通らないようにして


自分の身の安全を確保した。


ー気が付くと、駅前の桜は満開になっていた。

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