《MUMEI》

泣きながら電話した私に大ちゃんは案の定、驚いていた。


「どうしたんだよ!?鈴木とケンカした?」


「ううん…違うの…好きな人がね…出来たって言われて…ウッ…ウッ」


大ちゃんに説明しながら、また涙が落ちてくる。


「もういいから…分かったよ…辛いんだね…」


大ちゃんは先回りして私の言おうとすることを言ってくれた。


「うん…とっても辛い…こんなに辛いなんて…私、この先どうしたらいいの?」


もう先のことなんて考えれない。


「今は耐えるしかないよ…時間が経てば少しずつ辛くなくなるから…」


「時間ってどれくらい?」


「それは人それぞれだから分からないよ…」


期限がない辛さなんて耐えれない…


私がまた泣き出すと大ちゃんが「聞いて…」と言った。

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