《MUMEI》

「ああー食った食った…」


タラオは高級なネタをジャンクフードのように平らげ、腹をさすっていた。


僕は手酌で冷酒を注ぎながら、甥っ子の見事な食いっぷりに口元を弛ませる。


「タラオ。たまには、こうして男同士で呑むのもいいもんだろ?」


僕はタラオが二十歳になるこの日を楽しみにしていた。


思えば僕には女兄弟しかいない…


マスオ義兄さんやノリスケ伯父さんと呑むことはあるが、自分より年下の存在と酒を酌み交わすのも、また違った雰囲気があって良いもんだ。

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