《MUMEI》 最強の応援団。それから数ヶ月後に… 別れるなんて思ってもみなかったな…。 雨が降るだけで嬉しくて… 毎日がウキウキしてた… もうあんな風に恋する日は来ないのかな…。 ヨウスケとは中途半端に終わっちゃったから… ちゃんとヨウスケに会って話が出来たら、私も変われるかな…。 一歩、前に踏み出せるかな? 正直、まだモヤモヤを引きずってる。 それに、これからどうしたのか?っていう答えはまだ出てない。 でももう一度、ヨウスケに会って話がしたい。 今なら、自分の気持ちを素直に話せる気がした…。 この空のように…真っ暗だった私の心が、少し晴れていくように感じたんだ。 私はリコ・コウタ・憐にメールを一斉送信した。 “今日、8時に憐の店に来てほしい。”と。 すぐに返信がきた。 リコ→“必ず行く。” コウタ→“了解。” 憐→“あほ。『来て』って俺、働いてるからお前が来るんだろ?待ってるな。” …みんな。ありがとう。 私は本当に幸せ。こんなにも想ってくれる人たちがいる。仲間がいる。 〜8時10分前〜 店に着いた私は一番ビリだった…。 カウンターには憐。 その前の席にはリコとコウタが座ってる…。 『集合かけといて遅っ。』 コウタが言う。 憐とリコが笑って頷く。 『…ゴメンね。』 『おいおい。何、マジな顔してんだよ。冗談だって。瑠伊遅れてねぇし。』 『…違うの。みんなには色々迷惑かけちゃって…。』 『おっと。いきなり本題かよ〜。そんな慌てんなって。まず一杯やってからにしようぜ。』 私の話を止めてコウタが茶化す。 …わかってる。 これもコウタの優しさ。 私の話を重苦しくさせないための雰囲気づくり。 …わかってるけど、今回は真面目に話したい。 私が“ちゃんと聞いて”と言おうとした時… 『コウタ。黙ってろ。』 憐がキツく言った。 これは、憐の優しさ。 憐は、無愛想だから怖そうだけど、本当は誰よりも人の気持ちがわかる人。 私の気持ちを察してくれたんだ。 『…すいません。』 コウタが謝り、シーンとなった時、リコが立ち上がった。 『まぁまぁ。二人とも。 瑠伊が悪いんだよ。 まずは席につく。 で、荷物置く。 …それから話はじめる。 これが基本動作でしょ?』と言ってニコっと笑う。 これがリコの優しさ。 いつもは、ワガママで何も考えて無いようだけど、本当は一番の気配り上手。 一気に場が和む。 …三人の優しさが嬉しかった。 色々…長々と話そうと思ってたけど止めた。 だってこの三人は私の気持ちを一番理解してくれてるんだもん。 私は席につき、目の前に出された“極薄ウーロンハイ”を一気して、大声で叫んだ。 『私、ヨウスケに会いに行く!』 前へ |次へ |
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