《MUMEI》 「蝶子ちゃん、それ好きだったよね」 「覚えててくれたんだ」 「俺だって、忘れてないよ!」 「ありがとう、雅彦」 私は俊彦の言葉を無視した。 「蝶子ちゃ〜ん」 「食べながら喋らないでよ」 俊彦は、昔と変わらず、食べ方が汚かった。 最近気付いたが、俊彦と和馬は、スプーンで食べられるメニューが多かった。 この日も 俊彦はチャーハン 和馬はドライカレーだった。 「二人とも、それでよくホストできたわよね」 私が呆れると 「「だって飲むのと話すのが仕事だから」」 二人は声を揃えて言った。 「なるほど」 確かに、二人は普段の仕草や飲み物…とりわけ、アルコールを飲んでいる時は、普段より一割増しでかっこよく見えた。 そのかわり 食べている姿は三割減だった。 ちなみに チンジャオロースを食べる雅彦は、普段と変わりなく 大葉を乗せたアジフライを食べる孝太は二割増しだった。 (もしこの中で、食事に行くなら孝太とだな) 私はそんな事を考えながら、ミックスサンドを食べた。 一応、おごってもらったので、食後のコーヒーは私が入れた。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |