《MUMEI》

「熱はないっぽいけど・・・・調子悪いんだったら帰ったほうがいーよ?」

茫然自失の体で硬直する俺の目の前で、首を傾げる15°。叫び出したくなったが、絡まる舌で必死に言葉をつむぎだす。

「ま、マジで何でもない。はや、早く仕事いけよ、おおお俺、俺もすぐ行くから」

「ほんと?大丈夫なん?」

尚も心配そうな顔をされて、ぶんぶんと音が鳴るくらい首を縦に振る、振りまくる。

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