《MUMEI》

きつい締め付けに呼応するように腰を打ち付けると、薄い唇から漏れる喘ぎ声。痩せた背中に腕を回して抱きしめると、同じように抱きしめ返してくる。熱を持った吐息まじりに、耳元で囁かれる。

“好き・・・・”

甲高い喘ぎと涙声の混じった告白に頬を緩め、きつく閉じられた瞼に口付ける。

“俺も好きだよ”


いやぁぁぁぁぁぁ!!

俺は、本当に、心の中で乙女のような悲鳴をあげていたと思う。

もうダメだこの前失恋から立ち直ったのに何で、何で何で、こんな夢を見なきゃならないんだ!?

夢は性欲の反映である、と頭の中で髭面のじじぃが笑ったので、脳内で撲殺する、死ね!死ね死ね!ちがう、死ぬのは俺だ!!

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