《MUMEI》
*不動*
昼時になった。

だが瑠果は一向にこの場から動く気配がない。

むしろ動く気など更々ないといった感じなのである。

「お嬢様──」

「ん、どうした?」

「昼食になさいますか?」

「ああ、すまん。そうだったな」

思い出したかのように瑠果は言い、立ち上がる。

陽が照らす中、2人は屋敷の中へと戻って行った。

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