《MUMEI》
*自信*
「‥‥‥‥‥」

命令、と言われてしまっては、もはや抵抗は出来ない。

「分かった‥」

瑠果は答えたが、両手の拳が微かに震えていた。

「お嬢様」

それを見兼ねて、紫堂は瑠果に言った。

「僕、不器用ですけど──体力は結構自信あるんです」

「そうなのか‥?」

「はい」

「─────」

瑠果は納得したのか、ようやくいつもの笑顔を取り戻した。

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