《MUMEI》 傲慢(プライド)中編「皆さん校庭におびき寄せてください」 教師の1人が生徒達に言った。「はいっ!」 生徒達は、一斉に校庭に向かった。 「じゃあ、あなた達の作戦に付き合ってあげましょう」 私は、不適な微笑みをしながら校庭に向かった。 校庭に着くと生徒全員と教師全員が待ちかまえていた。 「お前の弱点は、このフラメルの十字架の錬成陣だ」 その瞬間地面に書かれた錬成陣が光りだした。 彼らは、勝利に満ちた顔。ホムンクルスは、あっけないなどと考えていた。 「ホムンクルス覚悟しろ!」 光は、さっきにも増して輝きだした。 「これで勝ったと思うのは甘いですよ」 私は、弱点であるフラメルの十字架の錬成陣には倒せないように体中に人体錬成の陣が書かれている。 「た、倒れない!」 「あなた達の負けです。私には、この人体錬成の陣が書かれてますから」 生徒達は、混乱して騒ぎ出した。 「皆さん落ち着いてください」 「所詮愚かな人間ですこと」 私は少し悲しくなった。 そんな中1人の教師が私の異変に気づいた。 (奴の顔がなんだか悲しみを感じている) その時、私の目から一筋の涙が流れた。 「ど、どうしたんだ!」 生徒達や教師達は、不思議に思った。 「どうして奴は泣いている」 (私は何故愚かな人間のために泣いてるんだろ) 「本当に何故涙が…」 「ホムンクルス、何故お前は泣いている」 「その呼び方やめてください。私は、傲慢のプライドです」 私は、ギッと睨んだ。 「何か事情があるなら聞いてやろう」 (何故人間でない私にそんなことを聞くんだろ。まあいいや) 「私は、あなた達の傲慢な心が私を動かしたんです」 私は、校庭の真ん中に立った。「人間の七つの犯してはならない罪、つまり七つの大罪、色欲、暴食、嫉妬、強欲、憤怒、怠惰、そして傲慢。今ここに彼らの傲慢な心をあらわしください」 その時私の左腕に書かれているウロボロスの入れ墨と地面に書かれているフラメルの十字架の錬成陣が光り出した。 前へ |次へ |
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