《MUMEI》
*貧血*
「いいですよ。ご負担でなければ」

「本当かっ?」

途端、瑠果の碧い眼が輝く。

「よしっ。ならば早速食料庫へ‥」

「どうされましたか‥?──!」

トスン。

突然瑠果はその場にしゃがみ込んでしまった。

「だ、大丈夫ですか‥?」

「‥‥すまん、気にするな。‥只の貧血だ」

見ると、彼女の顔は確かに血の気を失っている。

「今ベッドへお連れします」

紫堂は瑠果を背負うと、2階へと続く階段を上がった。

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