《MUMEI》
格子状の春上
セイントの体は重かった。
この世でいちばんG(重力)を感じるセイントの体は、病院の人に理解されず、病院の簡易ベッドを潰した。

潰れたベッドから見た天井は高かった。セイントは父の姿を思い出した。
彼を天井に植え付けたのは他でもない、セイント自身だった。
気がつくと、4階にいたはずのセイントは2階にいた。
天井など存在しない。セイントは自身の腕に海苔をまいた。


長女の服はもう無かった。日本一の川はそれほどまでに強かった。
駆けつけた天童よしみにエシャロットをなげつけ発狂した。
長女「貴殿。もう会うことはあらず。生きていたければ海へゆけや。」
長女にはセイントが必要であった。


セイントはどこだ。
セイントはどこに行ったのだ。


信濃川で握った、エシャロット・ネギ・白菜・根菜…
どれも助けてはくれなかった。
長女は世界を憎んだ。
消すより他ない。


遠くで何かが潰れる音がした。
次第に気配をしっかり察知した。

セイントは、あそこにいる。

4階に行ってもセイントはいなかった。

大きな穴をのぞくとセイントが海苔を巻いていた。

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