《MUMEI》

しばらくすると、小さな小さな鳴き声が聞こえてきた。すっかり耳慣れた声。


「…いらっしゃい」


縁側に跳び上がってきたのは、灰色の小さな子猫だ。

子猫は、いつものようにプルプルと体を振るわせて水気を飛ばし、こちらに寄ってくる。


「はい、来ると思って用意しといたよ」


用意しておいたミルクの皿を差し出すと、子猫は少しずつ舐めはじめた。

その姿を眺めながら、私はコーヒーにちびちびと口を付ける。

縁側から見える庭に、無造作に植えられた草木も、雨の恵みを喜んでいるように見えた。

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