《MUMEI》
大ウソ
私の言葉に鈴木は驚いているようだった。


「え・・・お前に相談してもいいの?」


「私も辛いけど、でも鈴木が苦しむのはもっと辛い・・・」


これは大ウソだ。
側にいて機会を虎視眈々と狙うためにはこれしかないのよ。


「ありがとう。俺、お前のこと裏切ったのに・・・」


鈴木の声は、さっきと違って明るくなった。


「私は諦めるしかないし・・・。私を捨てたんだから、その分幸せになってもらわないとね!」


全部ウソ!
こうでも言わないと鈴木は私を側においてくれない。


私のことを見直してもらわないと・・・


「お前にそう言われて、なんだか気が楽になった。ありがとう」


「そっか。私もごめんね、死にたいとか変なこと言っちゃって・・・・・・で、その彼女はどんな人なの?」


まずは敵の情報収集よ!


『己を知り、敵を知れば百戦危うからず by孫子』


なんちゃって☆

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