《MUMEI》
無くしたモノ
私は何がしたかった?
――わからない

私は何をしようとしていた?
――わからない

私は何でここにいる?
――わからない

私はどうしてこんな人間になった?
――あなたが無くしてしまったから



涙を、無くしてしまったから・・・


ああ、そうか
私には、涙がないんだ

だから、何にもわからないんだ

だったら、どうすればいい?
――あなたが、決めること

私は気付いた

私が問いかけているのは、誰なのか

どんなに考えてもわからなかった

声は同じくらいの歳の少女

聞いたことのあるような声

思い出せそうなのに、思い出せない

脳が拒んでいるのかのように・・・

思い出してはいけないことのように・・・

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