《MUMEI》 *蝋燭*「すまん、待たせたな」 そう言って瑠果は大皿を運んで来る。 紫堂をテーブルに着かせ自分はその傍らに立つと、皿を置きかぶせておいた蓋を取る。 「‥‥!」 紫堂が目を丸くした。 「本当は夜の方が良いのだろうが──つい気が逸ってしまってな。すまん」 「いえ、──嬉しいです」 紫堂が微笑むと、瑠果はそれに蝋燭を立て始める。 前へ |次へ |
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