《MUMEI》
女版鈴木
「それで別れて友達に戻ったん!?」


私が鈴木のことをざっと報告すると、のんちゃんが信じられないように言った。



「まぁ・・・一旦、友達にね」


いずれ鈴木は戻ってくるだろうし・・・たぶん。


「で、相手の女はどこの子なん?」


「神戸の短大生で私達と同級生・・・」


「神戸!?なんでまた神戸の女なん???」


「年末にたまたま友達と京都に遊びに来てたんだって。それで鈴木の友達にナンパされて、鈴木に一目ぼれしてお正月に告白してきたらしい・・・」


自分で説明しながら神戸の女に対して怒りが込み上げてくる。


「ナンパされて、ほいほいついて行くような女なんて、すぐに終わるわ」


私の話を聞いたのんちゃんも腹を立てている。


「しかも彼氏がいるくせに他の男のこと好きになるような女だよ!」


便乗してさらに私は悪口を言う。

そして、のんちゃんも。


「きっと女版鈴木やで。すぐに同じことされて捨てられたりして!ハハハハハハハハ」


「そうだね、女版鈴木だわ!!!ハハハハハハハハ」


二人で大笑いして悪口言って、かなりすっきりした。




「でもミキティ・・・この短期間にこんなに痩せて・・・大丈夫?」


三日も食事をしなかったせいで私は貧相に痩せていた。


「うん大丈夫!」


「なんかあったら言いや。しっかり食べなあかんで!」


のんちゃん・・・ありがとう。

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