《MUMEI》
*目頭*
そして二重のカーテンを閉め部屋を暗くすると、その円状に並んだ蝋燭に火を灯していく。

その光が揺れ、2人の影が背後で踊る。

「よし、では紫堂、吹き消せ」

「え、僕がですか?」

「他に誰がいるのだ?」

「あは、ですよね」

火が消され、辺りは再び暗がりになる。

瑠果はカーテンを開け、部屋の中に光を戻した。

それが妙に眩しく感じられ、紫堂は目を細める。

そして何故か、目頭が熱かった。

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