《MUMEI》 *逆転*そんな事とはいざ知らず、瑠果は戻って来るとケーキを切り分け始めた。 「あ、お嬢様‥僕が自分で」 「気にするな、せめてもの恩返しだ」 「ぇ」 「今日は私がお前の仕事をやろう」 「お、お、お嬢様‥何を言ってらっしゃるんですか‥!?」 「遠慮は無用だ」 「いえそういう事ではなく‥」 そこまで言って、紫堂は瑠果の格好がいつもと違う事に気付いた。 「お嬢様、それは‥?」 「昔雇っていたメイドのお古だ。似合うだろう?」 誇らしげに胸を張る瑠果。 「という訳だ紫堂、食べろ」 そう言うと、瑠果は先程切り分けたケーキを、紫堂の皿に乗せてやる。 前へ |次へ |
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