《MUMEI》

がちゃり、休憩室のドアが開いて件の男が心配顔で入ってきた。

「えぇ!?大丈夫?」

着替えもしないままロッカーに背中を預けてうずくまる俺の姿に、驚いて走りよってくる。間近に見える茶色の虹彩にまたしても既視感を覚えて息を飲む、毛細血管が破裂してカッと顔面の温度が上昇したのがわかった。

「どしたマジで。体調悪かったら帰っていいから、俺店長に話しとくし」

「ち、ちげ、そうじゃねぇんだ・・・・」

俺はうわごとのように呟いた、恥ずかしさと罪悪感で顔をまともに見られない。

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