《MUMEI》
sprouting
例の夢を見た日から2日が経った。
時間が経つにつれて俺のパニック症状は治まっていったが、混乱が気化して蒸発していっても、どうしてあんな夢を見たのかという疑問は皿の上に固体化して残ったままだった。
意味の存在しない夢、ただの無意識上にある夢だっていくらでもあるんだろう。でも、それでも、何で自分があんな夢を見たのかわからない。
ただの夢だと流すには、あの夢はあまりに衝撃的すぎた。自分の、性癖の問題かもしれないのだ。

そんなわけで俺は、バイトを早退したその日から、体調が悪いといってバイトを休んでいた。同じくらい暇なせいでシフトがほとんど重なっている茶髪男と顔を合わせるのが怖かったのだ。

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