《MUMEI》
*時計*
「これは──‥」

「懐中時計だ。お前にやろう」

「いいんですか‥?」

「ああ」

瑠果は答えると、紫堂の首に懐中時計の鎖をかけてやる。

「似合うな」

瑠果は笑って言う。

「気に入ったか?」

「はい、とても」

紫堂は銀色に光る懐中時計を見つめた。

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