《MUMEI》

何かあったって言ったら、あの日のやりとりぐらいだよな

今までしょっちゅう遊びに来ていた茶髪男が何故急に俺の部屋へくるのを渋ったのか、何かあったと言うなら2日前の一件ぐらいだが、何と言っていいかわからずに押し黙る。一瞬あの夢のことがバレたのかと思ったが、エスパーでもないかぎりそんなはずはないと思いなおして平静を装う。

「何かあったなら言えよ、頼りないかもだけど一応店長だし年上だし」

「や、別になんもないです・・・・」

っていうか、言えません

俺の言葉に店長は少し訝しそうな顔をしたが、そのまま缶ビールに口をつけた。

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