《MUMEI》
*真心*
紫堂は瑠果に微笑んだ。

「大切にしますね」

「ああ」

瑠果は答えて、再びテーブルに着く。

すると、

「もう一切れいかがですか」

紫堂が尋ねた。

「それとも──紅茶になさいますか?」

「お前は食べないのか?」

「ぇ」

「お前の為に作ったんだぞ?」

「そうでしたよね。はい、頂きます」

2人きりの細やかなパーティーだったが、紫堂にはとびきり幸せな時間だった。

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