《MUMEI》
悪いグレムリン
定食をがっついていると久々の敦くんに声をかけられた。


「おう!久しぶりやな」


「久しぶりー・・・」


って言いながら、敦君の雰囲気が少しワイルドになっていたことに驚いた。


「なんか雰囲気、少し変わったね・・・」


前はかわいい小動物みたいだったのに、今は悪いグレムリンって感じ・・・


「そう?別に特には意識してへんけど」


ま、どっちでもいいよ。
そんなこと・・・


「それよりお前、放課後に年頃の娘が食堂で一人メシ食うって、何してんねん!?」


ゲゲ。
そんなところを突っ込まれると・・・


「お前の方こそ雰囲気、変わったんちゃう?」


お前ェ?

前は美樹子ちゃんって呼んでたくせに。


「なんか・・・」


なんか・・・?

痩せたから??

とか・・・???


「錆びれた感じがする」


グサッ!!


さ、さ、さびれた・・・


「錆びれたって・・・敦君、それ言いすぎっ」


「あ、ごめん。少し言いすぎやった?」


「かなりね」


今の私の心は壊れやすいんだからぁー!

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