《MUMEI》 *寒風*「東へ向かうんですよね」 「うむ、方角は合っているから真直ぐに進めば孤島に着く筈だ」 「今日は水が澄んでますね」 「ああ。本当だ」 そう言って瑠果は空を見上げる。 そして、うっすらと雲がかかってきている事に気付いた。 「雨雲では無さそうだが──」 風が冷たくなってきた。 「寒いですか?」 紫堂はそう言って、自分の上着を瑠果の肩にかけてやる。 程なくして空の雲は灰色に変わり、不穏な空気が漂ってきた。 前へ |次へ |
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