《MUMEI》

何故こんなにもいそがしいのか?



どういうわけかあの茶髪男がいないからだ。



「ちくしょ、」

生中ジョッキを3つ片手に持ち、もう片方に串焼の盛り合わせの大皿を運びながら思わず悪態が出る。
この店は毎回バイトの数をギリギリに減らしている、全員がフルパワーで働いてようやく店として機能するようなシフトなのだ。
それがどういうわけかあの茶髪男が仕事の時間になっても現れない。チャラそうに見えるものの独楽鼠のように働く茶髪男が抜けた穴はかなり大きかった。そんな日に限って、グループの予約がいくつも重なり店内は混乱状態だった。

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