《MUMEI》

「ちょっと、まだ銀二くんこないの?」

パートのおばさんがふぅふぅと息を弾ませている。年齢の差こそあれ、誰も似たようなものだ。

「まだみたいっすね、俺も連絡してみたんですけど」

「もー困るわぁ、あの子いないと回らないわねー」

「英田、福原さん、これ!」

あわただしい会話の間にも店長が料理の皿をカウンターに上げていき、俺たちは再び働き出す。

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