《MUMEI》 *救出*「‥‥ぷは‥っ。お嬢様は‥」 紫堂が前方に目をやると、波に呑まれながら瑠果が浮き沈みしていた。 「‥!」 紫堂は瑠果の元へ泳いで行くと、その身体を抱き抱える。 「お嬢様っ、大丈夫ですか‥!?」 息はある。 だが意識は‥。 (アカン‥) 紫堂は瑠果を抱えたまま、近くまで流れてきたヨットに乗せてやる。 「‥‥‥‥‥」 瑠果は目を閉じたままグッタリとしている。 「お嬢様‥‥っ」 紫堂は流木を掴むと、孤島の方角へと漕ぎ出した。 前へ |次へ |
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