《MUMEI》 バトル。バッチリ決まった。 …と思っていたら、リコがコウタに耳打ちをした。 『…瑠伊がショックで頭おかしくなっちゃったみたい。』 『…だな。』 リコとコウタは、私の誓いを茶化しながらも“前向きな瑠伊を応援する。”と言ってくれた。 …でも、憐は違った。 『瑠伊!お前が今日俺達を呼び出したのは“ヨウスケに会いに行く。”って言うためだったんだよな?』 『…うん。』 『お前の気持ちはその程度だったのかよ? …たしかにヨウスケが悪い。 兄貴の俺もアイツが何考えてんのかわかんねぇよ。 …でもな。瑠伊。 ヨウスケがお前のことをすっげぇ大切に想ってることは分かるんだ。 お前はどうなんだよ?』 無口な憐が、語った。 『私だって…。』 言い掛けたら止まらなかった。 『私だって大切に決まってんじゃん。 じゃなきゃ3年もウジウジ引きずってないよ。 大体、何なの? 偉そうに…。 あんたの弟でしょ? 何とかしてよ。 人がせっかく前向きに人生やり直そうとしてんのに、水ささないでくれる? ヨウスケを忘れられるわけないじゃん。 今でも…って言うか、 ヨウスケの気持ちを色々聞いた、今の方が、前よりずっとずーっと好きだっちゅうの!』 『…。』 …ヤバッ。支離滅裂に、しゃべりすぎた…。 『…あの〜今のは違うくって…。』 …ダメだ。 うまく言い訳できない。 『それでいいんだよ。強がんなっ。会いたけりゃ行けばいい。…瑠伊。行けよ。…東京に。ヨウスケのところに。』 『言われなくても行くよ。行けばいいんでしょ。』 ってな具合の半ギレで、私の東京行きは決まった。 前へ |次へ |
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