《MUMEI》
*得意*
「お嬢様っ‥降りて来て下さいお嬢様っ」

「心配はいらん。私は木登りが得意なのだ」

「そ、そういう問題ではなく‥」

紫堂が止めるのも聞かず、瑠果は器用に上へと上って行く。

そして果実をひとつもぎ取ると、紫堂へ投げてやる。

「美味いぞ、食べてみろ」

「お嬢様‥まずは降りて来て下さい‥」

「ああ、そうだったな。すまん」

瑠果は枝にぶら下がると、いきなり手を放した。

「お嬢様‥!?」

瑠果は見事に着地していた。

「す‥凄いですね‥」

「すまん、驚かせたようだな」

瑠果はあどけない笑顔をみせた。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫