《MUMEI》
*釣竿*
「紫堂はこういう所へ来るのは初めてか?」

「はい、海もあまり行った事がないですし──」

「おお、そうだ」

瑠果は突然何かを思い付いたらしかった。

別荘へ戻って何かを取って来ると、紫堂に掲げて見せた。

「釣竿‥ですか?」

「そうだ。私も少しなら釣れるぞ?」

「え、お嬢様‥まさか」

「釣りに行こうかと思ってな」

「今から‥ですか?」

「夕食の材料にはなるだろう?」

「で、ですがお嬢様」

「任せるのだ紫堂、私が魚を釣って来る」

瑠果は釣竿を片手に意気揚々と歩き出した。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫