《MUMEI》
慌ただしき日常
「おはようございまーす」
 寝起きで少し気だるげな声と共に林田翔太は【プロシャフト】と社名ロゴの入った事務所の扉を開けた。
 事務所の中は雑然としており、中央に大きな1枚板のテーブルとそれを囲むようにイスが12脚。四方の壁の棚には、ぎっしりと書類やら何かの小道具やらが詰め込まれている。「おはよう。ショータ」
 中央のテーブルに座っていた上野 久美がパソコンの画面から視線を外しショータへ笑みを見せる。
パーマがかった茶色の髪にバッチリメイク。今日もイイ女だなぁなどとぼんやり思いながら、ショータはウエノに挨拶を返す。
「おーおはよう。ウエノ。みんなは?」
「キー坊だったら倉庫にいるよ。あとはまだ」
 ウエノの返事に生返事をしながら、ショータはリュックをテーブルの上に置き中からタオルを取り出すと坊主頭に巻きつけた。
「ヨッシャ、やるか」

ウエノの後ろを通り過ぎ、事務所の奥に進むと倉庫として使われている部屋へつながる扉がある。その扉の前までくると扉が内側から開いた。

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