《MUMEI》
*早朝*
「‥‥‥‥‥」

瑠果は珍しく早朝に目が覚めた。

「紫堂‥?」

もう隣りの部屋にはいないらしい。

(食事の支度か‥?──いや、いくら何でも早過ぎはしないか‥?)

とりあえず廊下を進み、広間へと向かう。

「‥‥‥いないな」

どうやら別荘の中にはいないようだ。

(ならば残るは──‥)

瑠果は外へ出た。

そして辺りを見回す。

「──お嬢様‥?」

「!?」

頭の上から声がした。

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