《MUMEI》
密会の叙情
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僕は愛車……シルバーのベントレーのハンドルを握り、夜の品川を走っていた。


車はウインカーを点滅させ、通りから有名ホテルの地下駐車場に下ってゆく…。


バックミラーの中で、ホテルの誘導員が、僕の車を羨望の眼差しで見送っていた。


「ベンツかジャグワーで来れば良かったなぁ…

――この車は目立ち過ぎる…。」


僕は、このホテルを訪れる目的にそぐわない車を選んだことを軽く後悔した。



車は、地下駐車場の一番奥にあるVIP用のスペースに停まった――…。


そして僕はスーツの襟を正し、助手席から薔薇の花束を手にとった――……。

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