《MUMEI》

奈美と再会することを考え、自分磨きをするために雑誌を買って帰った。


その雑誌を見ながら、洋服の購入計画を立てる。


次のバイト代が入ったら買っちゃおう!


そんな風に一人の時間を楽しんでいると電話がなった。


・・・鈴木だ。


この間、私があんなこと言ったから身を引いたと勘違いして、安心して電話してきたんだ!?


「もしもし・・・どうしたの?」


私が聞くと鈴木は友達だった頃のように普通に話をする。


「なんか退屈でさ・・・」


私と別れるからよ・・・


「また暇つぶしにする気?」


「そんなんじゃないけど・・・」


神戸の女に電話しないってことは、うまく行ってないのかな・・・


「彼女は?」


「週末に来るって言ってた!」


なんだ・・・
うまく行ってるんじゃん。


「じゃぁ、彼女に電話したらいいのに」


「うーん・・・出来ない・・・」


は?何それ。


「彼女は・・・彼氏と同棲してるから・・・」


それって・・・
鈴木がもてあそばれてるんじゃ・・・


「彼女は同棲してるのに別れるって言ってんの?」


「彼氏が別れるのを認めないから、荷物をまとめたりとか大変らしい」


認めないからって・・・
別れたきゃ飛び出せばいいと思うんだけど。


変なの。


でも、その変な話が私には有利な状況のような気がしてきた。


「それは・・・気長に待った方がいいかもね!」

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