《MUMEI》
あばずれ女
私の話を聞いて、美幸が探ってくる。


「看病って・・・もしかして佐久間さん泊まったの?」


「あ・・・・・・うん。そう、そうなのよ!熱が40度近くあったから心配して薬とか買ってきてくれて・・・」


私は焦って言い訳をする。


「そうなんだ・・・親切な人だね」


「そうね・・・」


たしかに佐久間は親切な人だ。


「愛加は・・・佐久間さんとはどうなの?この間はなんでもないって言ってたけど」


美幸は鋭い。
太一への未練も、佐久間との関係も。
どちらも疑問に思ってるいるんだろう。


「佐久間さんとは・・・仲のいい男友達って感じかな」


ある意味、嘘じゃない。


「ふ〜ん・・・そっか」


美幸はそれ以上は何も言わなかった。


今までの男性遍歴に加えて佐久間との関係を知られると、今以上に自分があばずれだと思われそうで言えなかった。


特に仲のいい千夏と美幸には、そう思われたくなかった。

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