《MUMEI》 いざっ出陣。『憐。ヨウスケの居場所の手掛かりは寮しかないんだから一応教えといて。』 『おぉ。いつ行くんだよ?新幹線か?飛行機か?見送りするよ。』 憐の言葉にリコとコウタが頷く。 『明日…バイクで行く。』 『はぁ〜?』 3人に息はぴったりだった。 『“ぜんは急げ”って言うでしょ?バイトは連休もらって明日行くよ。』 ほぼヤケクソだった…。 『…わかった。じゃー、気ぃつけてな。』 と言って憐はヨウスケの寮の住所を書いてくれた。 …こうなったら何が何でもヨウスケを見つけだしてやる。 …まずは一発殴って… それから…それから… なんて言おう? まぁイイや…。 行ってから考えよう…。 『じゃ〜私、東京行く準備があるから帰るね。今日は集まってくれてありがとう。』 …家に帰る途中、本屋に立ち寄って“東京マップ”を買った。 家に着いてからは、とりあえず荷造りをして早めに眠ることにした。 “…ついに明日ヨウスケに会えるんだ。” “…ヨウスケ。私が行ったら驚くだろうな…。” “まずは寮に行って…ヨウスケの居場所を知ってる人見つけなきゃ…。” “…………。” …眠れない。 …眠れるわけない。 ヨウスケに会えるってだけでドキドキしすぎ…。 自分の心臓の鼓動がうるさくて眠れないなんて…。 もぉーーっっ。 無理だ。どうせ眠れないんだ…今から行ってやる。 私はパジャマを着替え、急いで化粧をした。 こうなったら勢いだ…。 荷物とヘルメットを持って部屋を飛び出した。 “待ってろ。ヨウスケ。” シーンとした駐車場に私のアクセル音が響いた…。 前へ |次へ |
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