《MUMEI》 割り切れない「裏切り者・・・って、たしかにそうだけど・・・」 急に私の態度が豹変して鈴木もたじろぐ。 「そうでしょ?私がいない間に私を裏切って、私のことボロボロに傷つけて!」 自分でもよく分からないけど、ひどく感情的になっていた。 「その話は終わったんじゃなかったのかよ!」 そんなに簡単に終わるわけないじゃん! 「この間、お前は俺に相談に乗るって言ったよな?あれはなんだったんだよ!?」 演技よ!嘘よ! 鈴木の側にいるために言っただけのことよ! 言いたいことは山ほどあるのに、言えたのはこれだけだった。 「気持ちなんて簡単に割り切れるわけないじゃん!」 「割り切れてないくせに、相談にのるとか言うなよ」 それを言われると何も言えない。 「私、もう帰る・・・」 「今日は誘って悪かったな」 なんでそっちを謝るのよ。 鈴木のバカ! 前へ |次へ |
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