《MUMEI》 *小瓶*「何か流れて来るぞっ」 「?」 瑠果の示す方向へ目を向けると、波に揺られて、何かが運ばれて来るのが分かった。 「何でしょうね」 「よし、確かめに行くぞっ」 「お嬢様‥っ」 駆け出そうとする瑠果の肩を、紫堂が掴んだ。 「どうした?」 「波にさらわれては大変です。お嬢様はここで待っていて下さい」 「お前が行くのか?」 「はい、任せて下さい」 「大丈夫なのか?」 紫堂は頷いて、波打ち際へと向かう。 (‥あ) 砂浜に打ち上げられた物。 それは、小瓶だった。 前へ |次へ |
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