《MUMEI》
狂乱の足音
憎い。

この世が憎い。神が憎い。

守らない警察は要らない。

救わない神は要らない。

大切なものを守ることができなかった。

死神が連れ去っていってしまった。

どうして?どうして?何故?ワカラナイ、普通に暮らして、悪いことはナニモシテナイノニ、理不尽に不条理に無理矢理に、

僕の日常を奪っていった。

だからやるんだ。

奪っていった奴らを守らなかった奴らを、

神も魔王も天使も死神も人間もみんなみんなぜんぶ消してやる、僕の幸せを奪った、だから全部殺すんだ!

彼、六条千奇は三日前まで普通の一般家庭の一人だった。

だが、突然現れた強盗というたった一つの"不幸"が彼から全てを奪っていった、今はその強盗は警察により永遠に出られなくなっているが、彼の心はもう壊れてしまっていた。

今の六条には全てが敵にしか見えなかった、そんな六条の目に一つのアパートが写った。

そのアパートは一つの部屋のドアが無く、残骸が粉々で散らばっていた、

…なんだこのボロアパート…

そんなことを思った瞬間窓が派手な音とともに窓が吹き飛んできた。

「!!?」

その後中から怒声が聞こえてきた。
実際はミスアが怒っただけなんだが六条には自分を脅かした強盗を思い出していた。

今、目の前で強盗が何かをしている→強盗が憎い→というか全てが憎い→よし殺そう。

簡単に、約0.7秒程で決意は固まった。そしてゆっくりと確実に目の前のアパートへ、目指すはドアの無い部屋。




これがこの男、六条千奇の栄光と絶望の始まりだった…






バランスの傾く瞬間だった…




───天、魔、異、人の闘いへ

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