《MUMEI》
*帰港*
多少の時間はかかったものの、ヨットは無事、船着き場に到着した。

「着いたな」

「では──帰りましょうか」

2人は屋敷へと戻り始めた。

「もうすぐ秋だな」

瑠果は涼しくなりつつある風の音に耳を済ませている。

屋敷の近くまで来ると、瑠果は呟くように言った。

「帰ったらまずは掃除だな」

「?」

「1ヶ月近く留守にしていたからな、色々とやる事がありそうだ」
そう言った瑠果の口調は、何だか楽しげだった。

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