《MUMEI》
時間のムダ
「やり直したいって、その可能性はどれくらいなん?」


うっ・・・


「リナさん、結構厳しいこと言うねぇ」


「だってそうやろ、可能性がないのに待ってどうすんねん」


どうすんねんって・・・


「そんなことは考えてなかった」


「美樹子さん、あかんよそれじゃ」


ダメだしされてしまった・・・


「そんな訳も分からんような女に騙される男を待つなんて、時間のムダ!!」


リナさんだって一時期は鈴木にお熱だったくせに。


あ・・・でも、すぐに諦めてたような。
なるほど時間のムダって気づいたってことか・・・


「いい?美樹子さん。あかんかったら次!次もあかんかったら次!」


リナさんが必死に喋りだす。


「アカン次、アカン次、アカン次、アカン次、アカン次、アカン次、アカン次!ゼーハァゼーハァ」


一気に言ったせいかリナさんは最後のほう息切れしてしまった。


「とにかく、アカンと思ったら次に行かんと自分も苦しいし、時間も勿体ないやろ?」


「そうだね、プッ」


リナさんの熱の入った言葉を聞いて笑いそうで我慢をしていた。


「プッって何?」


「いや、やっぱリナさんはおもろいなぁって思って」


「人が一生懸命に励ましてんのに、なんやの!ブツブツ・・・」


リナさんは少し機嫌を損ないながらも、


「でも美樹子さんが笑ってくれてよかったわ」


そう言ってくれた。


意外に友達想いでビックリした。

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