《MUMEI》
部屋探し
ついに、この日が来てしまった・・・


「愛加ちゃん、どの物件から回る?」


「好きにしてよ。どうせ3軒しかないんだから・・・」


検索結果は5件だったのだが、私の確認不足で5部屋で物件自体は3軒だったのだ。


「それじゃ、ここを一番に行って、次にここで、最後にここ!どう?」


佐久間は嬉しそうにルートを決めて、私にどうかと尋ねてきた。


「これって・・・どういう基準?」


「気にならない順」


え!?そ、そんな・・・


「じゃぁ、この最後のところが一番気になるの?」


私は心臓の鼓動が早くなるのを感じながら聞いた。


「紙ベースではね」


佐久間が一番気になる物件は、太一と同じマンションだと言うので冷や汗が出た。


「まぁ、こういうのって紙で見るのと実際見るのじゃ違うから・・・」


「そうだね、じっくり見ないと!」


佐久間はやたら張り切っている。

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